[
ホーム
-
漢文入門
]
論語入門
やっと文法が終わり、いよいよ実際に『論語』を読んでいくことにします。白文を読むにはまずは事前情報収集が大事です。論語について、孔子について、簡単にまとめておきましょう。
現在執筆中
この項目は執筆中です。しばらくお待ちください。
『論語』について
東漢(日本では後漢という言い方が普通ですが中国では東漢が普通です)時代の班固が書いた歴史書『漢書』には、この時代に存在した書物をまとめた章「藝文志」があります。これは中国最古の書物分類目録として非常に重要であり、ここで用いらされた「経・史・子・集」という分類法(四部分類)は現在でも漢籍の分類法の基礎になっているなど、後代に多大な影響を与えました。そこで昔(ほぼ紀元前に相当)の本のことを調べるときは、まずは漢書藝文志を見るというのが大鉄則です。各種辞典類の説明もたいてい漢書藝文志の説明を下敷きにしています。エッセイならともかくまともな論文で「大漢和によれば…」「辞源によれば…」なんて書いたら相手にされません。これら辞典類を見てもいいですが、ちゃんと漢書藝文志にあたることにしましょう。
論語者、孔子應答弟子時人及弟子相與言而接聞於夫子之語也。當時弟子各有所記。夫子既卒、門人相與輯而論纂、故謂之論語。
卒。「終わる」「大夫がお亡くなりになる」のときはzú (シュツ)と読みます。支那漢で4声になっているのは間違いです。なお、「卒業」を「そつぎょう」と読むのは本来おかしいのですが、慣用的にそう読んでいます。
輯。集と同じ。
纂。撰と同じ。
まず書名『論語』の読み方が問題です。「論」の音はlúnとlùnとがあり、現代では実質的に「論語」のときだけlúnと読んでいます。歴史的には「倫 lún」と共通する語義があるときにlúnと読んできたようです。つまり論語は「倫理の語」だという意識が強いのでそう読むのでしょう。しかし漢書藝文志によれば「孔子の言葉を論じて選んだ」のですから、本来はlùnと読んでいいのかもしれません。