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代名詞


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  1. 代名詞
    你 我 他 谁
    你们 我们 他们
    这里(这儿) 那里(那儿) 哪里(哪儿)
    这个 那个
    这么 那么 怎么 什么
    nǐ wŏ tā shuí
    nǐmen wŏmen tāmen
    zhèli(zhèr) nàli(nàr) nǎli(nǎr)
    zhège nàge
    zhème nàme zěnme shénme
    あなた 私 彼 誰
    あなたがた 私たち 彼ら
    ここ そこ どこ
    これ それ
    こんな そんな どんな 何

     “あなた”を表す人称代名詞「你」は、いまでは大陸はもとより台湾でもこの字になっていますが、歴史的にはさまざまに表記されてきました。『急就篇』原著では「儞」となっています。日本語では相手に対する敬意の度合いで“あなた”ではなく“お前”などさまざまな言い方をしますが、中国語では基本的に「你」でかまいません。ただし敬意を表すときは「您(nín/ㄋㄧㄣˊ)」といいます。
     “彼”を表す「他」は、現在では“彼女”のときには「她」、人以外のときには「它」と表記するのが普通です。発音はかわりません。もっとも歴史的には、なんでも「他」と表記したり、「它」のかわりに「牠」と表記したこともあります。『急就篇』原著は「她」などが出てこないところをみると、たぶん、なんでも「他」という流儀なのでしょう。
     「谁/誰」にはshéi/ㄕㄟˊ という音もあります。
     複数にするときには「们/們」を使います。単独では2声ですが必ず軽声で発音されます。
     ここから指示代名詞です。日本語では“これ・それ・あれ”“ここ・そこ・あそこ”などのように“こ・そ・あ”三項対立の構造になっていますが、中国語では「这/這」「那」の二項対立です。話者に近ければ「这/這」、話者から遠かったり相手の領域だったりすれば「那」です。なお「这」は繁體字では「這」ですが、最近では台湾でも「这」が通用しています。
     “ここ”“そこ”“どこ”はそれぞれ「里/裡」で終わるのと「儿/兒」で終わるのと2種類の言い方があります。「裡」は「裏」とも書かれます(『急就篇』原著はそうです)。
     “どこ”は「哪里」ですが「哪」という表記は民国期以後のものであり、それ以前は「那」と書かれるのが普通でしたので、“そこ”なのか“どこ”なのか文脈で判断する必要がありました。なにしろ『急就篇』原著もそうです。「哪里」のときには3声+3声なので「哪」は2声に変化します。注音符号では「裡」を3声で注音しますが、ピンインでは軽声にしてしまうので要注意です。nǎliと書いてあっても発音はnáliです。
     “これ”“それ”は「这个/這個」「那个/那個」です。“この~”“その~”のときには単独で「这/這」「那」となったり、別の量詞をつけたりする言い方もありますが、原則として“これ”“それ”のように単独で使うときには「个/個」をつけて2字(2音節)になるものと思ってください。なお、繁體字では「個」は「箇」でもかまいません。
     ところで、「这个/這個」“これ”、「那个/那個」“それ”と来れば当然“どれ”は「哪个/哪個」です。どうして『急就篇』には出てこないのでしょう。「那裡」=「哪裡」のところで述べたように、『急就篇』の時代はまだ「哪」という表記が確立されておらず、「那」を文脈で読み替えることで対応しました。ですからたぶんこの「那个/那個」は、nǎge/ㄋㄚˇ˙ㄍㄜと読み替えることで“どれ”をも表しているのでしょう。
     なお、「这个/這個」「那个/那個」「哪个/哪個」には口語的な読み方としてzhèige/ㄓㄟˋ˙ㄍㄜ、nèige/ㄋㄟˋ˙ㄍㄜ、něige/ㄋㄟˇ˙ㄍㄜ というのがあります。これは「这一个/這一個」「那一个/那一個」「哪一个/哪一個」の縮約形で、実際にそう表記される場合もあります。
     “こんな”“そんな”…に使われる「么/麼」は、以前はmoの1声であるかのように書かれることもありましたが、現在ではme/˙ㄇㄜで定着しています。なお、meという音は軽声しかなく、しかもこの字のみです。